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経営者のビジョンがスタッフに伝わっていますか?

  ビジョンは頭で描いているだけでは伝わらない  

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 すでに開業された先生。これから開業をしようと思っている先生。先代から継承された先生。みなさん経営者の立場になったら、自分の城ですから、どういうクリニックにしたいか。それぞれ必ず理想のビジョンはあると思います。

 では、その思いをちゃんと言葉や会話で明確に伝えていますか?

 どれだけ明確に思い描いていても、思うだけではスタッフには伝わりません。そして自分一人でそのビジョンを現実化するのは、チームで行っている限り不可能です。スタッフ全員の力があってこそです。そして毎日の診療を、自分の思い描く通りに動いてほしいと思うなら、とにかく「しっかりと伝える」ことです。

 大きな病院の何百人のスタッフに伝えるわけではなく、クリニックは比較的少人数ですので、普段からしっかりと話しあえば伝わりますし、きっと思いは浸透すると思います。

 よく開業後の先生が、なかなか思いが伝わらないスタッフにイライラし、「ちっとも思った通りに動いてくれない!」等、スタッフの行動にボヤいていることがあります。ただ、その後スタッフに理由を尋ねると、先生の求めていることやどうしてほしかったのかということが全く伝わっていなかったというケースが殆どです。先生のイライラをよそに全く気づいていないのです。                               逆に「先生なんか今日機嫌悪いね。」悲しい事に、その程度です。     

そこでとても空気の読める、優秀なスタッフならよいのですが、大体は「どうすればよかったのか?もっと具体的に言ってくれないと分からない。どうして面と向かってその時にいってくれないのか?」という反応になります。そして、そんな態度のスタッフときちんと話をせずにお互いそのまま距離を置いていると、たちまち険悪になり溝がどんどん深まります。ひどいと何人かで示し合わせて先生の言うことを聞かなくなり、先生の視界に入らないところで、自分たちにとって都合のいい、勝手な行動をしはじめます。結局そのスタッフとの関係性に振り回されているうちに、当初の自分のビジョンをすっかり忘れてしまっているケースもしばしばあります。

 

・ 経営者だからこそ、自らも歩み寄る時代に・・

 では、いちいち言わないとわからないのか?余計イライラする話だと思います。

 でもそうなのです。。。残念ながら最初は逐一言わないと分からないものなのです。勘の良い人はすぐに空気で感じて次から気をつけようと思いますが、決してそんな人ばかりではありませんし、夫婦でも分からないことがあるように、他人ならなおさらわかりません。

 そして逆を言うならば、経営者も従業員の気持ちまでわかっているか?ということです。多分お互いが相手の事を理解しようとしないまま、それぞれの言い分で求めるので、些細なことが大きくすれ違ったままでいるように思います。私は今まで、少しお互いが歩み寄ることによって大きな溝にならなかったケースを沢山見てきました。また、その逆も同じくらいあります。

 結果、最初は大変でも早く分かり合うためには「自分からも」少し歩み寄ることが、とても大切なのだと感じます。

 ひと昔前は、経営者の考えがすべての時代もありましたが、いまは一歩間違えればパワハラと主張される時代ですから、上手に話し合って納得して働いてもらうことも時には必要です。とにかく今は人を雇用する方が肩身の狭い、大変な時代になってきました。ただ、毎日来て働いてくれればいいや。と割り切れるなら別ですが、その分毎日のイライラはあきらめなければいけないでしょう。自分の思いをわかって動いてもらおうと思うならば、経営者当人の努力も必要だと思います。

ではうまくいっているクリニックは、普段どんな感じなのでしょうか?

 

・思いを理解してくれるスタッフを集める。面接は、最大のチャンス。

 経営者がビジョンを明確にすることによって、自然と同じ志のスタッフが寄ってきます。合わない人は去っていきます。結果としてはそれでよいと思います。志が合わない人がいるとそれだけで理想のビジョンが遠のきますし、先ほどの例のように悩みが多くなるだけです。ひどいと現場をズタズタに壊していきます。思いが一緒になれる人か、そうではないか、早く選別するためにもしっかり伝えることです。

 とくに面接時はチャンスです。相手もこのクリニックへ入りたくてきているので、ある程度こちらの話に耳を貸しますし、それが嫌なら最初から入りません。いきなり長々と自分の思いを語るのは相手が引きますのでいけませんが、ある程度、数点に絞って「うちのクリニックはこうしていきたい。一緒に働くことになったらこうしてほしい。それが可能ですか?」と質問形式で伝えると相手も明確ですし、それができるかできないか。そこでまず意思確認ができます。
 また、もし入ってから面接時の話と違って、動いてくれなかった場合は、「面接ではっきりと話をした、こうしてほしいと言いましたよね?」と聞き返せます。逆に面接時で話さず、あとになって色々お願いすると「そんなこと、最初に聞いてない!」と言い出す人もいます。雇用してからでは遅いので、やはりある程度面接で確認しておくべきです。

 中にはそんな話をするのは恥ずかしい。という先生が結構みえますし、自分の思いを伝えるのが苦手な先生もいらっしゃいますが、ビジョンという大げさなものでなくても「こうしていきたい、こうしてほしい」という思いをしっかりと伝えないと、スタッフは何が正解かわからないので、どうしても自分のものさしで判断して行動します。それが、偶然思いが同じならよいのですが、スタッフ全員となるとそんなわけにもいきません。思いがバラバラなところは、結局それぞれが自分の都合のいいように解釈しますし、面倒臭いことはとくに楽な対処法を考え行動します。もし、自分で伝えるのが難しい場合は、奥様や事務長にお願いするのもいいでしょう。

 

・ビジョンを伝えるにはコミュニケーションが不可欠

 業務もスムーズで、みんなが同じ志を持っているところは、スタッフとのコミュニケーションを怠りません。自分が業務で気になっている点やお願いしたいこと、意見を聞きたいことなどに対してスタッフと時間を持つことを面倒臭がらず作ります。ではそこに膨大な時間をとっているか?といったら意外とそうでもありません。

 例えば月に1度ミーティング時間を30分だけ設けて日常の業務について意見しあったり、気になったことがあった次の日の朝礼で少し話をしたり、診療が落ち着いて時間がある時に話をしたりすることです。

 沢山の時間でまとめてやらなくても少しずつ接点をもって話す。そして、一方的でなく、スタッフの意見も必ず聞く。普段からまめに話をすれば、少しずつでも思いは必ず伝わるものです。というよりいい意味での擦り込みは重要です。そうすることで、スタッフも理解して動くようになり、そのうち「先生の好み」が分かったうえで判断して行動するようになります。「先生はこのやり方は好まない」も分かってきますし、「先生はこうしてほしかったはずだ」と先生の思い目線で考えてくれるようになります。そして、今いるスタッフに浸透すると、次に入ってくる方もそのビジョンで教えてもらうので、ずっとその思いが受け継がれていきます。

 「ビジョン」や「思い」を理解してもらうまでは大変ですが、経営者にとって、より良いクリニックにするためには、まず自分がみんなに思いを浸透させないと実行できません。そして、自分自身がやりやすい環境で診療を行うために、何よりコミュニケーションの時間を惜しまないことが重要です。